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 ヤクルト・岩村明憲内野手(27)のポスティングシステム(入札制度)による独占交渉権をデビルレイズが450万ドル(約5億3100万円)で落札した。前日15日に最高応札額受諾の返答をしたヤクルトが、16日に発表した。デ軍は来年4月2日(日本時間同3日)の開幕戦でヤンキースと激突。岩村はヤ軍の開幕投手と見られるランディ・ジョンソン投手(43)撃ちを誓った。





 ガンちゃんのメジャーデビューに最高の舞台が用意された。目指すは来年4月2日、聖地ヤンキースタジアムでのヤンキース戦。“ビッグユニット”ランディ攻略だ。

 「松井(秀)さんとも戦った間柄だし、ヤンキース戦は楽しみ。ジョンソンと対戦? 名前負けせずに、自分が積み重ねたものを信じて、向かっていきたい」

 メジャー通算280勝左腕に堂々の宣戦布告だ。04年日米野球で打率.440と活躍して手応えをつかみ、今年3月のWBCでも打率.389。メジャーで通用する自信を深めた。相手がメジャーを代表する大投手だとしても、簡単には抑えられない自信がある。

 さらには、同じア・リーグ東地区のレッドソックス移籍が確実な松坂に対しても「対戦すれば、2人にとっていい刺激になると思う」と余裕を見せた。今季は対戦はなかったが、05年の交流戦では決め球のカットボールを左中間に運ぶ一発を見舞っているのだ。

 大リーグではまだ無名とはいえ、2年連続最下位に沈んだチームを救う切り札の期待がかかる岩村。「(デ軍に)自分は勝つために来たんだとわかってもらいたい。一塁でも、外野でも、いわれたところに挑戦する」。日本でゴールデングラブ賞を6度受賞した三塁の定位置にもこだわらないチーム愛も誓った。

 「僕の夢はメジャーに行くことでなく、活躍すること。勝負かけていきます」。会見では感激で目を潤ませたが、来季への抱負を聞かれると勝負師の鋭いまなざしに早変わり。ガンちゃんの挑戦がいよいよ始まる。


(高橋潤平)



★岩村に聞く

 --デビルレイズが落札したが

 「僕は1球団でも入札があったらすごくうれしいことだと思っていた。何球団か興味を示してくれた。今後の自信になる」

 --チームの印象は

 「おととしの日米野球でクロフォードとユニホームを交換した。森慎二さんもいる。暖かくていいところ。僕の“田舎に縁”のある人生には一番マッチしている」

 --若くて新しいチームだが

 「僕が入ってそれ以上に弱くなったといわれないようにしたい。いい刺激になってチームが浮上していけばいい」

 --これからの夢は

 「僕の夢はメジャーリーグに行くことではない。世界の舞台で活躍する姿を見せないといけない」

 --1年目の目標は

 「まずはチームに早く慣れること。英会話も勉強して、米国の文化を受け入れなければいけない。不安と期待が半々。2月中旬のキャンプまでに体を作って、期待が不安を大きく上回ればいい」

 --連絡はどこで聞いたか

 「(午前)9時半くらい。ゴルフ場でプレーしているときにエージェントから連絡を受けた。その後はドライバー(ショット)が安定した」(笑い)

 --今後の予定は

 「23日のファン感謝デーに出させていただける。ファンの人に10年間の感謝の思いを伝えたい」

 --大リーグでプレースタイルを変えることはあるのか

 「自分のスタイルを変えたくない思いはある。でも、臨機応変に対応しなければいけないこともあるので(石井一ら)先輩方の意見を参考にしたい」

 --多菊球団社長は『日本と同じレベルの成績を残してほしい』と話しているが

 「(ポスティングを容認した)球団には感謝している。いいハッパをかけてもらったと思う」

 --本拠地が神宮球場と同じ人工芝だが

 「数少ない人工芝の球場で、違和感はないと思う。東京ドームのようなフィールドターフと聞いている」

 --打順については

 「自分の中では『3番打者最強説』がある。いつかは3番を打ってみたい気持ちはある」

 --トレードマークの赤いリストバンドはつけるのか

 「チームの色が緑だからつけないと思う。ユニホームが似合うか少し心配。でもルールの範囲内で赤いバットは試してみたい」


★デ軍でも背番号「1」熱望

 岩村はデ軍でも、ヤクルトでの背番号1をつけることを熱望している。「(デ軍に)背番号1の人がいないのはもう知っています。競争になるかもしれないけど、ぜひほしいですね」と早くもおねだり。今後は12月上旬に渡米し、代理人のアラン・ニーロ氏と契約交渉に向けて打ち合わせを行う予定だ。


★球団は最高応札額受諾…補強費に充当

 ヤクルト・多菊善和球団社長(70)は16日、東京・新橋の球団事務所で最高応札額を受諾することを発表。落札額の約450万ドル(約5億3100万円)は補強費に充てる方針を明らかにした。

 「(岩村は)大リーグを目指してやってきて、いい結果を残してきた。(デビルレイズは)正当な評価をしてくれたと思う。(落札額は)補強費に充てることになる」

 岩村のメジャー移籍で戦力は大幅ダウンとなるが、同社長は落札額の主な使い道として、ラミレス、リグス、ラロッカの野手3人とガトームソン、ゴンザレスの投手2人の残留交渉の資金に回す考えを示した。

 チームトップの39本塁打を放ったリグスを筆頭に、そろって好成績を残した助っ人5人衆だけに「外国人全員が(今季年俸から)倍以上を要求している」と同社長は苦笑い。2年目で結果を求められる古田監督にとっても、残留交渉の行方が気になりそうだ。


◆ヤクルト・古田監督
 「契約が正式に決まったら、彼の力で優勝争いにかかわっていけるようがんばってほしい。応援しています」



★デ軍編成担当は潜在能力に期待

 米大リーグ機構もGM会議が行われているフロリダで、岩村との交渉権をデビルレイズが落札したことを発表。デビルレイズのフリードマン編成担当は日本の報道陣を相手に会見を開き「さっそく代理人のアラン・ニーロ氏とも話しをした」と話した。また起用法については「キャンプを見てから」と説明。若い選手が多く発展途上のチームだけに「彼は三塁だけでなく、一塁、二塁、外野と複数のポジションをこなせる」と、岩村の持つ潜在能力に期待を寄せていた。

【2006/11/17 サンスポ.COM】
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