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 【カンザスシティー(米ミズーリ州)5日(日本時間6日)=サンケイスポーツ特電】米大リーグ、レッドソックス・松坂大輔投手(26)が、敵地で行われたロイヤルズ戦にメジャー初登板初先発。7回、打者26人に108球を投げ6安打、10奪三振、1四球、1失点で初勝利を挙げた。松坂は2点リードで迎えた六回、先頭のデヘスースに右翼へ本塁打を浴びたが、立ち上がりから落ち着いたマウンドさばきでロ軍打線を翻弄。2度の3者連続を含む2ケタ奪三振をマークし、最高球速は154キロを記録した。試合は終盤に打線が加点し、松坂の後を受けた救援陣も踏ん張ったレッドソックスが4-1で快勝した。

 カンザスシティーを襲う寒波を熱波に変えた。衝撃のメジャーデビュー。MAX154キロの真っすぐと緩急自在の変化球に、ロ軍打線はついていけない。松坂につけられた“1億ドル男”の異名。その金看板に偽りはなかった。奪三振は2ケタの『10』。六回先頭のデヘスースに一発浴びたが、失点はこの1点だけ。チームに勝利を呼び込む熱投だった。

 「デーゲームだから、少しは暖かくなればいいなぁ…」という松坂の願いはむなしく、メジャーデビュー戦の気象条件は最悪に近いものだった。2日(日本時間3日)に行われたロイヤルズVsレッドソックスの開幕戦は気温26度の中で行われたが、休日を挟み前日4日(日本時間5日)の同カードは気温7度。そしてこの日のプレーボール時は気温2度。ここ数日でなんと20度以上の寒暖差を記録した。それでも、松坂は表情を引き締めながら「去年、寒い盛岡で投げていますから大丈夫ですよ」といってマウンドに向かった。

 実は日本で予行演習をすませていた。昨年4月21日、盛岡で行われた楽天戦は酷寒のナイター。試合開始時の気温は5度で、試合終盤には2度にまで下がった。もちろん体感温度は『氷点下』だったが、松坂は先発7回を堂々の1失点。自身37度目(当時)となる2ケタ奪三振『11』という快投を演じ、勝利投手になった。日本が誇る『平成の怪物』が気象条件に左右されることはない。本場メジャーでもそれを証明してみせた。

 体調は万全だった。前日4日(同)は、この日のデビュー戦に備え、序盤の三回まで戦況を見届けてホテルに戻った。メジャーでは通常、先発ローテーション投手でも“早上がり”は認められていないが、ナイター翌日のデーゲームに先発する場合は特例として認められている。松坂は与えらた“特権”をきっちり“責任”としてとらえ、ロ軍打線を料理した。

 地元のボストンだけではなく、全米が注目した“1億ドル男”のデビュー戦。その重圧をモノともせず、松坂は見事に初登板初先発を初勝利で飾った。早くも待ち遠しい次回先発予定は中4日、ボストンで行われる10日(同11日)のマリナーズ戦。さらなる熱狂の本拠地デビュー、そしてまた見逃せないイチロー&城島とのメジャー初対決が待つ。


◆レッドソックス・松坂
 「とにかく寒かった。自分が感じている以上に体力の消耗があり、球威を確認しながら投げた。オープン戦で何度も投げていたので、初登板という意識はなくいつも通り試合に臨めた。先発ピッチャーとして一番大事なのは、いかにチームが勝てるように試合をつくれるかということ、それができたのは満足」

【2007/4/6 サンスポ.COM】
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