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【カンザスシティー(米ミズーリ州)10日(日本時間11日)】NOMOが帰ってきた! ロイヤルズの野茂英雄投手(39)がヤンキース戦の七回から2番手として救援。2005年7月15日以来、ちょうど1000日ぶりの大リーグ登板を果たした。九回に2本の本塁打を浴びるなど、3回2失点でチームも1-6で敗れたが、ヤ軍の松井秀喜外野手(33)に対しては左飛と空振り三振に抑えて、パイオニアとしての意地を見せた。






 「HIDEO NOMO」のコールとともに、右翼にあるブルペンから駆けだした。向かうは本拠地、カウフマン・スタジアムの小高い丘。あきらめなかった。野茂が1000日ぶりにメジャーのマウンドに帰ってきた。

 「今までと変わらずマウンドに上がれました。早くマウンドに上がって投げたかった。うれしかったというか…。そういう表現じゃないですけど、いつも通りでした」

 デビルレイズ(現レイズ)に所属していた2005年7月15日のブルージェイズ戦(トロント)以来の登板を、努めて普段通り淡々と振り返った。1-4と3点を追う七回からメジャーで3度目の中継ぎ登板。二死満塁の危機を招きながらも、松井秀をフォークで左飛に打ち取った。

 九回二死からアレックス・ロドリゲス内野手(32)、ホルヘ・ポサダ捕手(36)に連弾を許したものの、松井秀には再び伝家の宝刀、フォークで唯一の三振を奪った。39歳7カ月の出場は、メジャーの日本人選手で最年長記録。過去メジャーで10打数5安打と打ち込まれてきたゴジラを抑えきったのは、先駆者としての意地だった。

 この2年間は故障との戦いだった。2006年6月に右ひじを手術。走者の有無にかかわらず、右ひじに負担の少ないセットポジションでの投法に切り替え、直球のMAXは87マイル(約140キロ)にとどまり、フォークにもかつての切れは見られない。1995年からメジャー通算123勝(日米通算201勝)をあげた剛腕が、代名詞の「トルネード投法」を捨て、昨年はベネズエラ・リーグでプレーしてまで現役にこだわるのは「野球が好き。やるならメジャー」の一心だった。

 3回65球で2失点。投手陣12人のうち12番目という位置づけからいえば、生き残りに厳しい状況は変わらない。それでも、3年ぶりにメジャーで投げたという事実が、野茂にとっては重要だった。「体はどこも悪くないですのでコンディショニングさえ良ければ大丈夫だと思います」。8月31日で40歳になる開拓者。余力を残さず、燃え尽きる覚悟だ。


★野茂に聞く

 ――大リーグでは1000日ぶりの登板となった

 「今までと変わらずマウンドに上がれました。実際のところ、早くマウンドに上がって投げたかった。うれしかったというか、そういう表現じゃないですけど、いつも通りでした」

 ――イメージ通りの投球はできた

 「全体的にボールが先行していた。打たれたボールも甘かった。もう少し気をつけなければいけないな、と思いました」

 ――松井秀との対戦もあった

 「特別な意識はないですけどね。いいバッターで、その前も後ろもいいバッターなので、変わらなく投げていますけど」

 ――九回、松井秀から三振を奪ったフォークは切れていた

 「その前(ロドリゲスとポサダ)に打たれているので、なんとも言えない」

 ――中継ぎとしての調整には慣れそうか

 「体はどこも悪くないですので、コンディショニングさえ良ければ大丈夫だと思います」

 ――今季への手応えは感じたか

 「自分もどこまでやれるかわからないし、使う方もどこまでやれるのかわからないでしょうし、投げるチャンスがくれば抑えて、それからですかね」


★ヤンキース・広岡広報は感慨深げ「すごいですよ」

 球場の記者席でスコアをつけていたヤンキースの広岡勲広報(41)も、3年ぶりに大リーグのマウンドに上がった野茂の姿に感慨深げの様子だった。元記者の広岡氏は子供向けの岩波ジュニア新書『道は自分で切りひらく 大リーガーたちのチャレンジ』を執筆した際には、周囲からの批判を浴びながら、自らの信念を通して近鉄からドジャース入りした野茂の苦難の道のりにスポットライトを当てた。「今年で40歳。すごいですよ」と広岡氏は、野茂の不屈の闘志に改めて感銘を受けていた。


◆野茂について昨年まで日本ハムを率いたロイヤルズのトレイ・ヒルマン監督(45)
 「思ったよりも球威があったし、感じるものがあった。3イニング目(九回)に行く前に、日本語で『カラダハダイジョウブデスカ?』と確認した。2本塁打されたが、信頼は失わない。きょうのような投球を今後もしてほしい」



■1000日ぶりメジャー登板への道のり
 ◆2005年7月15日 デビルレイズ(現レイズ)所属。ブルージェイズ戦(ロジャーズ・センター)で先発するが8安打7失点の乱調で三回途中に降板。敗戦投手となった
 ◆同16日 デ軍を戦力外となり、28日にヤンキースとマイナー契約
 ◆2006年3月2日 ホワイトソックスとマイナー契約を結ぶが、3Aで結果を残せず6月7日に解雇
 ◆同16日 ロサンゼルスで右ひじのクリーニング手術を受けた
 ◆2007年10月20日 ベネズエラのカラカス・ライオンズで、ウインターリーグに参加。1年半ぶりの公式戦登板
 ◆2008年1月3日 ロイヤルズとマイナー契約。2月の春季キャンプには招待選手として参加
 ◆同4月5日 3年ぶりにメジャー昇格。同日のツインズ戦(メトロドーム)でベンチ入り

【2008/4/12 サンスポ.COM】
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