【シアトル5日(日本時間6日)=サンケイスポーツ特電】
イチロー、城島にも衝撃!!胃の腫瘍(しゅよう)で手術を受けるため休養することになった
ソフトバンクの王貞治監督(66)について、マリナーズのイチロー外野手(32)、城島健司捕手(30)はともにショックで言葉を詰まらせた。今年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で王ジャパンを初代世界一に導いた天才打者、直前まで打撃指導を受けていたまな弟子は、一日も早い回復を祈る半面、どうしようもないもどかしさものぞかせた。
真正面をじっと見つめたまま、イチローが口を開いた。数々の激戦のすえに奇跡を起こし、ともに世界一の栄冠をつかんだ恩師の体を、病魔が襲っていた。エンゼルス戦の試合前、関係者を通じて王監督の休養を知らされた瞬間から、笑顔は消え去ってしまった。
「日本から一報を受けました。どういう状況か分からないので軽率なことは言えないけれど、ショックを受けない人はいない。(WBC後は)ひどく疲れておられると聞いていたので、体調のことは気になっていた。その後は回復したとうかがっていたのに…。思いもよらぬことです」
イチローが日本人としての誇りと情熱のすべてを傾けた今年3月の第1回WBC。日本代表を世界の頂点に導いた天才打者は、同時に指揮を執っていた王監督の人柄に引き込まれていくのが自分でも分かったという。
WBCの閉幕直後、イチローはこう打ち明けたことがある。「(野球界には)会った後、会わなきゃ良かったという人もいっぱいるけど、王監督は、あれだけ実績があるのに最初あったときのイメージが最後まで変わらなかった。あの品格はどこから来るのかずっと考えていました」
大会を通じて大リーグはもちろん、世界中の野球関係者から敬意を払われ、注目された世界のサダハル・オー。常に裏表なく人と接し、偉ぶることは一切なかった。大打者の看板を振りかざすことも当然ない。
さい配面でも選手のプライドを気遣いつつ、なお3番・イチロー、福留の代打策など勝負手も鮮やか。低迷しがちなマリナーズで、個人記録と戦う生活に疲れていたイチローに、チームで戦う野球の醍醐味を改めて教えてくれた。昨年オフ、オリックス時代の恩師・仰木彬監督を亡くしたイチローだが、世界の王は新たな恩師だった。
「WBCの後は直接話をすることはありませんでした。WBCをやっている当時は全くそんなことは感じさせませんでしたが…。あとになってそういう話(体調不良)を聞きました」
キューバを破ってWBCを制した試合後、グラウンドで熱い抱擁を交わした2人。王監督を励ます手段は野球しかないことをイチローは知っている。と同時に遠い太平洋を隔てて、何もできないもどかしさも浮かぶ。沈痛な表情がイチローの胸中をそのまま投影していた。
★復活信じる愛弟子・城島…「心配は心配ですけど大丈夫」
城島はあえて明るい声で、王監督のカムバックを予言した。
「痛いのかゆいの、監督が言うのは聞いたことがない。心配は心配ですけど、大丈夫。監督はよく食べますからね」
内心はつらくて仕方なかったろう。王監督が当時ダイエーの監督に就任した1年目の95年、ドラフト1位で入団。王監督はその城島をプロ3年目から正妻に抜てきし、英才教育を施してきた。
城島の成長とともにチームも常勝軍団になっていった。勝てない時期も未熟な自分を頑固なまでに使い続けてくれた王監督。その恩師のいない日本球界など、城島には想像もできなかった。
約1カ月前には王監督から国際電話で助言をもらっていた。「当時ボクの調子が悪くて、第一声が“どうなってるんだ”で…。“もっとシンプルに考えなさい”と言っていただいた。やっぱりボクのことは一番よく見てもらってますからね」。
それから城島は調子を取り戻し、先週は2試合連続2本塁打を含め、打率.412、2本塁打、7打点で週間MVPの候補にもなった。お礼の電話をすると「ピンピンしている感じだった」。ただ、それだけに半面、今回受けたショックも大きかった。
【2006/7/7 サンスポ.COM】
イチロー、城島にも衝撃!!胃の腫瘍(しゅよう)で手術を受けるため休養することになった
ソフトバンクの王貞治監督(66)について、マリナーズのイチロー外野手(32)、城島健司捕手(30)はともにショックで言葉を詰まらせた。今年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で王ジャパンを初代世界一に導いた天才打者、直前まで打撃指導を受けていたまな弟子は、一日も早い回復を祈る半面、どうしようもないもどかしさものぞかせた。
真正面をじっと見つめたまま、イチローが口を開いた。数々の激戦のすえに奇跡を起こし、ともに世界一の栄冠をつかんだ恩師の体を、病魔が襲っていた。エンゼルス戦の試合前、関係者を通じて王監督の休養を知らされた瞬間から、笑顔は消え去ってしまった。
「日本から一報を受けました。どういう状況か分からないので軽率なことは言えないけれど、ショックを受けない人はいない。(WBC後は)ひどく疲れておられると聞いていたので、体調のことは気になっていた。その後は回復したとうかがっていたのに…。思いもよらぬことです」
イチローが日本人としての誇りと情熱のすべてを傾けた今年3月の第1回WBC。日本代表を世界の頂点に導いた天才打者は、同時に指揮を執っていた王監督の人柄に引き込まれていくのが自分でも分かったという。
WBCの閉幕直後、イチローはこう打ち明けたことがある。「(野球界には)会った後、会わなきゃ良かったという人もいっぱいるけど、王監督は、あれだけ実績があるのに最初あったときのイメージが最後まで変わらなかった。あの品格はどこから来るのかずっと考えていました」
大会を通じて大リーグはもちろん、世界中の野球関係者から敬意を払われ、注目された世界のサダハル・オー。常に裏表なく人と接し、偉ぶることは一切なかった。大打者の看板を振りかざすことも当然ない。
さい配面でも選手のプライドを気遣いつつ、なお3番・イチロー、福留の代打策など勝負手も鮮やか。低迷しがちなマリナーズで、個人記録と戦う生活に疲れていたイチローに、チームで戦う野球の醍醐味を改めて教えてくれた。昨年オフ、オリックス時代の恩師・仰木彬監督を亡くしたイチローだが、世界の王は新たな恩師だった。
「WBCの後は直接話をすることはありませんでした。WBCをやっている当時は全くそんなことは感じさせませんでしたが…。あとになってそういう話(体調不良)を聞きました」
キューバを破ってWBCを制した試合後、グラウンドで熱い抱擁を交わした2人。王監督を励ます手段は野球しかないことをイチローは知っている。と同時に遠い太平洋を隔てて、何もできないもどかしさも浮かぶ。沈痛な表情がイチローの胸中をそのまま投影していた。
★復活信じる愛弟子・城島…「心配は心配ですけど大丈夫」
城島はあえて明るい声で、王監督のカムバックを予言した。
「痛いのかゆいの、監督が言うのは聞いたことがない。心配は心配ですけど、大丈夫。監督はよく食べますからね」
内心はつらくて仕方なかったろう。王監督が当時ダイエーの監督に就任した1年目の95年、ドラフト1位で入団。王監督はその城島をプロ3年目から正妻に抜てきし、英才教育を施してきた。
城島の成長とともにチームも常勝軍団になっていった。勝てない時期も未熟な自分を頑固なまでに使い続けてくれた王監督。その恩師のいない日本球界など、城島には想像もできなかった。
約1カ月前には王監督から国際電話で助言をもらっていた。「当時ボクの調子が悪くて、第一声が“どうなってるんだ”で…。“もっとシンプルに考えなさい”と言っていただいた。やっぱりボクのことは一番よく見てもらってますからね」。
それから城島は調子を取り戻し、先週は2試合連続2本塁打を含め、打率.412、2本塁打、7打点で週間MVPの候補にもなった。お礼の電話をすると「ピンピンしている感じだった」。ただ、それだけに半面、今回受けたショックも大きかった。
【2006/7/7 サンスポ.COM】
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