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 マリナーズ・イチロー外野手(35)の9年連続200本安打の快挙を前に、地元紙「シアトル・タイムズ」が、「イチローはメジャー挑戦のタイミングを間違えた!?」というコラムを掲載した。

 書いたのはマリナーズ担当のジェフ・べーカー記者。《あのステロイドで武装したバリー・ボンズやマーク・マグワイア、サミー・ソーサらが「ホームラン」を打ちまくり、パワーこそがスーパースターの条件としてもてはやされた時代にアメリカに来ていなければ、もう少し違った評価を受けていたかもしれない》というのだ。

 レーザービームに代表される華麗な守備と、俊足を生かしたヒットの山。2000本安打と9年連続200本安打は日本では絶賛の的だが、米国では依然、評価が低い。いまだに「チームのためではなく自分の成績のためにプレーしている」「ライナーで外野に飛ばすヒットではなく、足で稼ぐ安物のヒットが多すぎる」などの批判もある。

 しかし、イチローは「自分の仕事を最優先に考え、自分の能力を最大限に発揮することこそ、チームのためになるという考え方の持ち主で、その姿勢は2001年にアメリカに来てから全く変わっていないし、これからも変わることはないだろう」と同記者。

 四球を選ばないイチローは1番打者にふさわしくないとの声もあったが、今季のイチローの出塁率は.392で、その役割を十分果たしている、という。

 マグワイアが殿堂入りの投票で落選するなど、ステロイドで打った本塁打に対する風当たりは極めて厳しく、一方で、レッドソックスのペドロイア二塁手のように本塁打が20本に満たなくとも、ハッスルプレーでMVPに選ばれる時代である。

 イチローは今のペースで行けば40歳になる2014年までにメジャー通算3000本安打を放つだろう。そのころまでに、米国の世論が、イチローのような華麗なバッティングや守備のうまさこそがスーパースターの資格と認めるかどうか? それともやはり、「ホームラン打者こそスーパースター」なのか。その成り行きを見届けたいものだ。


【2009/9/10 ZAKZAK】
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