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 阪神・片岡篤史内野手(37)が11日、甲子園球場内で引退を表明した。日本ハム、阪神での15年間を振り返り、「完全燃焼できたと思います」と胸を張った。12日の中日戦(甲子園)が引退試合となり、試合後にセレモニーが行われる。今後は解説者になる予定だ。





 少し潤んだ瞳で、真っ直ぐ前を向いた。フラッシュを浴びながら、片岡が口を開いた。

 「戦い終わったという気持ちと、寂しい気持ちと、ホッとした気持ちが入り混じっていますが、15年間、完全燃焼できたと思います」

 日本ハムの主軸として活躍し、02年にFAで阪神移籍。同年は不振に苦しみ、03年に打率.296と復活して18年ぶりVに貢献したが、以降は相次ぐ故障で満足のいく成績が出せず、今季も打率.148と低迷し、引き際を決断した。

 「力がある選手が残るんじゃなく、成績を残す選手が残る世界。ケジメをつけないといけない」

 プロ初安打。03年にPLの先輩・桑田(巨人)から放った通算150号。優勝した03年9月15日の同点弾。02年の大不振から「生死をかけて行った」倉敷秋季キャンプ。そして「人間としての修行の場」というベンチでの控え生活。思い出は尽きない。タテジマへ移籍した選択にも「2回も優勝させてもらった」と悔いなどない。「いい思い出をたくさんもらった野球に感謝し、これからの人生、地に足をつけしっかり歩みたいです」。

 今後は解説者として第2の人生を歩むが、最後の仕事が、12日、PL学園の同級生・立浪のいる中日との引退試合だ。

 「生え抜きでもない。成績も残せなかったのにこういう舞台を用意してくれて感謝しています。そういう感謝の気持ちを持って、思う存分ボールを追いたいと思います 

 スタメンも岡田監督に直訴。「最後のわがままです。立浪? こういう縁もあるんやなと」。野球にかけてきた男の最後のプレー。聖地のファンに、その姿を刻む。



★同級生・桧山「お疲れさま」

 現役続行の方向である桧山は同級生の引退について、「同い年だし、何といっていいか、わからない。お疲れさまとしかいいようがない。あっちゃん(片岡)の苦しむ姿を見てきたし、俺のも見ている」。今季2度目のFA権を取得したが、「どんな進路でも最後は自分で決めないと」と語っていた。


◆中日戦を観戦予定の阪神・宮崎オーナー
 「片岡選手は立派な男ですから、それなりのことはやってあげないと…」


◆阪神・岡田監督
 「阪神に来て1年目は重圧もあったと思う。それまでは、自由にやってきたタイプだから」


◆PL学園の後輩の阪神・今岡
 「阪神で(一緒に戦ったのは)5年ですが、ボクにとっては、片岡さんが同志社大時代に、高校に来てくれて野球を教えてもらったりとか、そこまで遡る関係なんで…。寂しいですね」


◆阪神・下柳
 「ご苦労さん、の一言だね」


◆阪神・矢野
 「仕方ないことだけど、寂しいよ。年も近かったし、野球に対しての考え方も同じだった」


◆片岡とPL学園時代の同級生の中日・立浪
 「12日は片岡の引退試合だと思った。きのう(10日)、絶対に優勝を決めたかったので良かったです。当日は彼のために何かしようと考えています」

【2006/10/12 サンスポ.COM】
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