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 日本相撲協会は2日、東京・両国国技館で理事会を開き、大麻取締法違反容疑で逮捕された十両力士、若麒麟真一(本名・鈴川真一)容疑者(25)を解雇処分とすることを決めた。師匠の尾車親方(51・元大関琴風)は委員から平年寄に2階級降格処分としたものの、武蔵川理事長(61・元横綱三重の海)ら協会幹部の処分はなく、大甘裁定となった。

 「国技再建」を図る最中での不祥事。昨年起きた相撲界の大麻問題で初の日本人逮捕者とあって若麒麟容疑者には最も重い「除名処分」も有力視されていたが、結局は一般企業の退職金にあたる養老金が支給される「解雇」という極めて甘い処分となった。

 約1時間の理事会の後、テレビカメラ8台、総勢100人を超える報道陣がつめかけた会見で武蔵川理事長は冒頭、「大変ご迷惑をおかけしました」と陳謝。処分について「除名を求める声もあった。しかし本人はまだ25歳。年も若い。第2の人生もあるのに除名というのはかわいそうだ」と説明した。若麒麟容疑者の退職金は529万円で、請求があれば支払うことになる。

 協会の責任を問う質問に、武蔵川理事長は「だから、今後2度と(不祥事が)出ないように考えていくことだ」と歯切れは悪く、再発防止に努めることが責任の取り方か? との質問には不機嫌に首を大きく縦に振るだけ。前代未聞の日本人力士逮捕の会見時間はわずか7分であっさり打ち切られた。

 今後については「再発防止委員会などを含めてもっと外部の意見を聞く」とした武蔵川理事長。昨年末には力士や職員など総勢1000人以上の協会員を集め、異例の研修会を行ったばかり。それから1カ月もたたずに起きた不祥事に、武蔵川理事長は次に打つ手はなしというのが現状だ。

 日本相撲協会・吉野準監事「除名という声もあったが、前例との整合性もあった。退職金(力士養老金)を払わないために除名にするのは本末転倒。自主返納するのがいいが、規定の不備を直していかないといけない」

【2009/2/2 ZAKZAK】


【體育】【大相撲大麻事件】土俵際の各界 甘さ変わらず 協会幹部処分なし

 日本相撲協会の若麒麟容疑者の処分は、養老金の支払いを伴う解雇に落ち着いた。武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)ら協会幹部への処分も科されなかった。理事会ではさらに、昨年に弟子が起こした大麻問題の引責で2階級降格した間垣親方(元二代目横綱若乃花)と大嶽親方(元関脇貴闘力)を1階級昇格させた。「国技」再建の“切り札”として昨秋に就任した武蔵川理事長だが、「身内に甘い」といわれる角界の体質は変えられないようだ。

 理事会で決まった若麒麟の処分は、昨年大麻事件で騒がせた3人のロシア人力士と同じ解雇。師匠の尾車親方(元大関琴風)が委員から平年寄に降格したが、これも元露鵬の師匠、大嶽親方と同じだった。

 若麒麟の処分決定については、外部監事の吉野準氏によると「意見は解雇と除名で半々に分かれた」といい、養老金の支払いを伴わない除名処分も検討された上で、解雇に落ち着いた。武蔵川理事長はこう説明した。「第二の人生のことを考えると除名はかわいそう」。温情が優先した。

 協会幹部は“無罪”とされた。幹部の責任問題について、理事会では話題にのぼらなかった。武蔵川理事長は、指導力の欠如を指摘された北の湖前理事長(元横綱)の辞任を受けて昨秋に就任。「再発防止」という決意表明を繰り返しながら、大麻事件の再発を許した責任は軽くないが、自らに処分は科さなかった。

 それどころか、昨年の大麻問題の引責で降格していた2親方を「本人たちは反省しており、社会的制裁も受けた」(武蔵川理事長)と“復権”させた。

 朝青龍問題、力士死亡事件、八百長疑惑、そして大麻事件…一昨年末、角界をめぐる不祥事が続発した。これを受けて、昨年、外部から理事などの役員を登用し、再発防止検討委員会を設置。昨年末には、力士らを集めて研修会を開き、生活指導をした。しかし、これらの改革も抑止力とならず、若麒麟事件を生み出した。「本当に厳しくやってきたつもりで、それは分かってもらいたい」と武蔵川理事長。角界の地盤沈下は止めようがないのか。

 「身内に甘い」といわれる体質を改善し、力士、親方ともに厳しく身を律することこそが再建の近道。相撲協会は、新公益法人制度の下で、要件の厳しい公益財団法人の認定を目指す方針だが、甘さを解消しない限り「国技」の看板を下ろす日が訪れかねない。

【2009/2/2 毎日新聞】
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