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○韓国6-2日本●(22日、準決勝)

 星野監督が色をなした。試合後の会見場で韓国メディアから、岩瀬への継投に疑問を呈するような質問が出たときだ。腹立たしげに「それが私のやり方だ」。核心を突かれ、思わず冷静ではいられなかった。

 六回を終えて日本が1点リード。ここで昨年12月のアジア予選から固めてきた「勝利の方程式」の一人、藤川を投入した。しかし、藤川は同点とされ、八回には岩瀬がマウンドに立った。1死一塁から打席には4番・李承※(イスンヨプ、巨人)。1次リーグの打率は1割台前半で、この日もここまで2三振に1併殺打と、絶不調だった。

 岩瀬も不安を抱えていた。1次リーグの韓国戦、米国戦と敗戦投手。持ち味のスライダーもキレに欠け、立ち直りのきっかけがつかめていなかった。それでもカウント2-1となった時点で、ダッグアウトの大野豊投手コーチは「今日の李承※はボール球を振っている。追い込んだし、大丈夫だろう」と思ったという。

 しかし、甘かった。1球ファウルを挟んでの5球目、内角低目の直球を右翼席に運ばれた。試合後、岩瀬は「何もないです。すみません」小さな声で言うのみだった。

 八回は左打者が3人続く場面で、大野コーチは「必勝の流れだったし『左が並ぶので左で』という判断だった」と振り返る。次回、ロンドン五輪では実施されない野球競技。「最後の五輪」で、どのチームも金メダルを欲しい。だからこそ日本の首脳陣は「勝利の方程式」にこだわったのか。手が届くところにあった決勝戦を前に、岩瀬に復調の兆しを見いだしたかったのか。

 さまざまな憶測を、試合後の星野監督は一言で封印した。「仕方がない。きょうはオレの責任だ」。【藤野智成】

【2008/8/22 毎日新聞】
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