罰則なしの03年

 米スポーツ専門誌スポーツ・イラストレーテッド(電子版)は7日、大リーグ、ヤンキースのアレックス・ロドリゲス内野手(33)が、レンジャーズ時代の2003年に実施されたドーピング検査で、筋肉増強効果のある2種類のアナボリックステロイドに陽性反応を示していたと報じた。メジャー最高年俸の強打者の“疑惑”に、全米が騒然となっている。

 今回問題視されたのは、03年のドーピング検査。この年、大リーグが陽性反応者の比率を調べるために実施した。試験的導入のため、選手会との合意に基づき、陽性反応者の名前は公表せず、罰則もなかった。Aロッドは同誌の取材に対し「この件は大リーグ選手会と話すべきだ。わたしは何も話すことはない」と答えたという。

 球界のルール上は「合法」で、裁かれることはないが、陽性反応が報じられたAロッドが受けるダメージの大きさは計り知れない。

 33歳で通算553本塁打。通算本塁打記録保持者のバリー・ボンズ外野手(44)=元ジャイアンツ=が薬物疑惑の中心となってから、ロドリゲスは“汚れた記録”を塗り替えるべき存在として声援を受けてきた。だが自身に疑惑がかかった今、記録更新への後押しはなくなる。

 また、通算354勝を挙げたロジャー・クレメンス投手(46)=元ヤンキース=は、証拠を示されながら薬物使用を否定したことで、徹底的な追及を受けた。かつての国民的英雄は犯罪者のような扱いを受け、公の場に姿を現さなくなった。

 松井秀喜外野手とチームメートでもあるAロッドは通算553本塁打を放ち、最優秀選手3度の強打者。07年オフに10年総額2億7500万ドル(約253億円)の契約をヤンキースと結び、大リーグ最高の年俸を得ている。

 しかし、ドジャースのジョー・トーリ監督(68)は、このほど出版したヤンキース時代を振り返った著書で、Aロッドについて「チームメートに“詐欺師”と呼ばれている」と語り、大きな話題となったばかり。本当に全米のファンを“欺いた”のか。Aロッドは、3月のWBCに、両親の母国、ドミニカ共和国の代表として出場予定。さっそく、世界から疑惑の目が注がれる。

 ■大リーグのドーピング検査は、2003年に試験的に導入。04年から、1回目の陽性反応は警告、2回目は15日間の出場停止となる罰則を初めて適用。05年、禁止薬物のリストにより多くの薬物を盛り込み、1回目で10日間の出場停止とするなど、罰則を厳しくした。06年からは1回目で50試合、2回目で100試合の出場停止、3回目で永久追放になった。しかし、1回目で2年間の出場停止、2回目で永久追放となる五輪競技などに比べ甘い対応だとして、批判は強い。

 ▼アナボリックステロイド 筋肉増強効果のあるタンパク同化ステロイド。内臓疾患などの副作用があるとされ、大リーグのほか、国際反ドーピング機関で禁止薬物に指定されている。ロドリゲスの検体から見つかったとされるのはテストステロンとプリモボラン。AP通信などによると、米国では、テストステロンは医師の処方せんがあれば購入できるが、プリモボランは認可されていない。

【2009/2/9 ZAKZAK】




【MLB】【A・ロッドに聞く】「深く反省している」

 9日午後6時からテレビ出演したロドリゲスは、薬物摂取を明らかにし、疑惑を否定した過去のインタビューでうそをついていた事実を認めた。

 -薬物摂取について。

 「確かに禁止薬物を摂取した。申し訳ない。深く反省している」

 -使った理由は。

 「すごい重圧を感じていた。巨額の契約を結んだばかりで、自分を次のレベルに押し上げるものが欲しいと感じた。何を使っているのか自分でよく調べもしなかった」

 -使用はレンジャーズ時代だけか。

 「あれ(ヤンキース移籍)以降、クリーンだ。キャリア最高のプレーをしている。そのことは誇りに思う」

 -2007年のテレビインタビューで薬物使用を否定している。

 「あの時は自分に対しても正直でなかった。それでどうして(インタビュアーの)ケーティーさんや(放送したテレビ局の)CBSに正直になれるのか」

 -今後は。

 「(薬物に関する)現状を変えたい。子どもたちが自分の失敗から何かを学んでくれればいい」

 (共同)

【2009/2/10 サンスポ.COM】
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