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 懐をエグリます!! サンケイスポーツ専属評論家・江本孟紀氏(61)と阪神・藤川球児投手(28)の対談が沖縄・宜野座キャンプ休日の9日、実現した。ともに高知商高出身の“いごっそう対談”で球児は3月開催のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の韓国戦へ向け、シュートの“解禁”を予告。剛球&カミソリ球を合体させ、世界連覇を誓った。(構成=上田雅昭)

 江本氏(以下敬称略) まずはWBCへの意気込みを。今度はやったろ、というのがあるやろ。去年の北京五輪のこともあるから

 藤川 ありますね。ないって言ったらウソです。気持ち的に盛り上がらない時期もあったけれど、必要とされているのが分かったので、それなら、と

 江本 さすが高知商高の後輩。高知人の気質やね。頼む、と言われると弱い

 藤川 弱いですね

 江本 代表の構成をみても抑えを任されるのは間違いない。原(監督)には言っておくよ。絶対に最後以外投げさせるな。中途半端なことをしたらアカンぞ、と

 藤川 自分でなければ誰なのかな。馬原(ソフトバンク)か僕か…。僕ぐらいしか、いないかな、とは考えたりします。もし、後ろではなくセットアッパーになった時に投げられるか、言われたら、投げられないんで。そうなった時は問題です

 江本 メジャーの連中が出てくるけれど、こいつと勝負したい、という選手はいる

 藤川 ないですね。どちらかというと韓国のほうがチームとして嫌ですね

 江本 嫌らしいやらしいもんな。五輪でも李承ヨプ(巨人)が突然、打ったり。何が起こるかわからないチームではある

 藤川 メジャーは僕のことを知らないから、やりやすいんです。大量点は絶対に奪われない。韓国は国が近いですから、データとか、研究もされやすいですよね

 江本 逆にいえば、似たような相手だから、慣れてはいる、ともいえるのでは

 藤川 確かに。おぼろげながら攻略法は浮かんでますよ

 江本 新しい球種とか、考えているのかな

 藤川 シュートです。シーズンというより、WBC用で。僕、配球が外ばかりなんです。北京五輪の時も韓国と対戦して、外ばかりで打たれてるんです。多分、データで左打者はインコースに行くけれど、右打者はインコースに来ない、というのがあったと思う。だから、シュートのような横の変化の球あれば、違うかな、と思うんです

 江本 楽しみやね。五輪とは違って、メジャーが集まる大会だから

 藤川 勝つのは難しい。だから頑張るんです。でも、(いい成績を残して)日本に帰って来れますかね

 江本 そのまま米国にいろ、と言われるんじゃないの

 藤川 また、そういうことを言うでしょう。ダメですよ、球団に叱られるんですから

 江本 でも、メジャーの一流の目に評価されることは大事だよ

 藤川 はい、誰からも評価されたいですね

 江本 阪神の話もしなくちゃ。監督が代わったけれど

 藤川 不安はあります。真弓監督への不安ではなく、環境が変わって、自分が対応できるか、という不安です。ずっと良かったのに環境が変わったから、自分がどういう精神状態になるか

 江本 真弓監督とは話はしたの?

 藤川 しました。頭が柔らかい方ですね。穏和です。ただ、あんまり大事に使わないでくれ、と言いました。大事に使われすぎて勝てなかったら最悪だし、WBCよりこっちが本当の仕事ですから

 江本 頼もしいよ。昔でいう何とか大明神やね。高知の英雄や

 藤川 僕、完全にオゴって投げてるんです。マウンドで、俺って凄いって思いながら。これも、高知魂ですね

 江本 久保、山口両投手コーチと話したけれど、先発が5、6回頑張れば、後ろには藤川がいる、と思って投げる、その存在感が大きい、と言っていた。藤川がいれば、俺だってもっと勝てたはず

 藤川 そんなことないでしょう

 江本 でもキャンプ地を回ったけれど、大矢(横浜監督)も、高田さん(ヤクルト監督)も、藤川には苦労していると言っていた。逆に藤川さえ崩せば勝てる、と思っている。そういうプレッシャーはあるの

 藤川 本当ですか。やばいですね

 江本 悪いこといったかな

 藤川 大丈夫です。意識してないですよ。新コーチの山口さんとサウナで会って、「僕が故障したらどうしますか」と聞いたんです。そしたら、「お前、やる前からそんなこと考えられるか。お前抜けたらどうするんね」と怒られました

 江本 当たり前や。コーチもビックリするで

 藤川 ウィリアムス、久保田と僕がいてやってきたのに、久保田が先発になったでしょう。ウイリアムスがいなくなったら、代役は江草かな。僕がいなくなったら誰かな、と思ったんです

 江本 いずれくることだけれど、首脳陣は考えたくないわな。ひたすら、お祈りするしかない。けがしないように。コーチでいえば、我らと同じ高知商高出身の中西が二軍コーチになったけれど

 藤川 寂しいです

 江本 まあ、ああいうおもろいタイプも必要ではある

 藤川 存在は大きかったですから。やりやすかった。痛い、かゆいが直接、言えたんです。監督まで意見が通るんで。コーチのところで止められないから。でも、今度は山口さんが帰ってこられた

 江本 山口コーチはどう? 話がわかるやろう

 藤川 心が広いです。みんなの意見を受け入れるし。人を見て指導する、ということはない。こいつに言って、こいつに言わない、ということがないので、若手はやりやすそうですよ

 江本 山口は(WBC日本代表投手コーチの)山田のこともよく知っているし。山田は俺より1つ下なんだ。年代も近いしね

 藤川 えっ、江本さん、61歳ですか

 江本 大きい声で言うな。恥ずかしい。今年、62歳やで

 藤川 なんで、そんなに若いんですか

 江本 若くないよ。あっという間に歳を取る。現役の時に、もうちょっとやっていればよかった、と思うこともある

 藤川 エッ、自分から辞めはったやないですか(大爆笑)

 江本 ピッチング同様、ストレートで来るな。とにかく頑張ってな。期待しとるよ

【2009/2/10 サンスポ.COM】
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