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【9月3日】2006年(平18) 

 【楽天6-3ソフトバンク】8月中にはとみられていた“新記録”は4試合足踏みした結果、9月まで持ち越された。

 初回に6本の長短打を集めて4点を奪い、中盤に追加点を挙げる展開でようやく目標だったシーズン39勝目をマークした東北楽天。前年の05年、球団創立1年目で田尾安志監督指揮の下で積み上げた38勝を残り18試合という時点で上回った。

 「おめでとうって何で?赤飯でも炊く?そんな心境じゃないけど、国分町(仙台の繁華街)にでも行くか。ビールかけでもしに…」。球団2年目でとりあえず前年の勝利数を超えたが、指揮官として日本一を3度経験した野村克也監督にとっては、最低限の目標。“完済不能”となった借金は38もあり、残り試合に全勝しても20も残ることを考えれば、喜びに値する勝利ではなかった。

 ただ、チームは徐々にであるが「戦える体勢が整いつつある」(野村監督)ことは確かだった。チーム打率は2割4分9厘から2割6分2厘へ、防御率も5・67から4・62と1点以上も良くなった。

 試合を通じての収穫もあった。シーズン中に野村監督自らが目をつけてトレードを申し込み獲得した右腕が好投、移籍76日目にして楽天での初勝利を刻んだことだった。

 6月のセパ交流戦終了後に阪神から坂克彦内野手とのトレードで楽天入りした、14年目の右腕・牧野塁投手はソフトバンク18回戦(フルスタ宮城)に先発、6回を投げ4安打2失点。先発での白星は93年に入団したオリックス時代の96年5月26日、近鉄11回戦(藤井寺)以来、実に10年ぶりだった。

 「勝ちに飢えていた。甘い球が高めにいかないことだけを心がけた」。山梨学院大付高からドラフト3位入団し、ルーキーイヤーのデビュー戦でいきなり最速152キロを記録した男は、この試合球速をMAX144キロに抑えてコントロール重視。力まず投げたことが好投につながった。

 「面白いピッチャーや。まだ勝ち星が計算できる段階じゃないが…」と野村監督。9月22日の西武戦でも先発で勝ち投手になり、この年2勝。オリックス最終年の03年以来のシーズン2勝で、来季へ期待を抱かせた。

 楽天の06年の最終成績は47勝85敗4分。07年に67勝、08年は65勝と、勝率5割はまだ突破していないが、勝てるチームになりつつあることは確か。09年は悲願のクライマックスシリーズ進出のチャンスが到来した。

 期待された牧野は07年1勝3敗。08年シーズン途中に4球団目の広島へ移籍した。09年は17年目。リリーフでの出番が多いが、シーズン2勝以上をマークしたことがない。長い歳月を経てシーズン3勝以上の“新記録”と、楽天の勝利数の“新記録”はどちらが咲きに達成されるだろうか。


【2009/9/3 スポニチ】
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