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 浜中が5-6の八回一死一塁から、逆転の16号2ランを放った。川上の変化球をフルスイング、打球は左中間席に飛び込んだ。値千金の一発に「自分で決めてやると思っていた」とあふれんばかりの笑みをのぞかせた。

 「夏休み最後の日なので、子どもたちのために勝利をプレゼントしようと、みんなで言っていた」。応援に来た子どもたちだけでなく、チームにも最高の「贈り物」になった。

監督がげき藤川燃えた

 阪神の背番号80がマウンドの藤川のもとへ歩み寄った。8-7の九回二死一、二塁。一打逆転の場面で、打席に中日の主砲ウッズを迎えていた。

 岡田監督はめったにマウンドに行かないことで有名だ。前夜の試合で九回二死から同点本塁打を浴びるなど、ここのところ自信が揺らいでいるリリーフエースのピンチを見たら、いても立ってもいられなくなった。

 「お前で負けたらしょうがない。好きなように投げろ」。指揮官の信頼に応えて、右腕はウッズを152キロの直球で空振り三振に切って取り、試合を終わらせた。

 指揮官の行動は、藤川の気持ちが折れたらナインみんなの気持ちも折れてしまう、と危惧(きぐ)してのことだろう。数字だけを見れば、逆転優勝の可能性は絶望的だ。それでも、昨季の王者は気持ちだけはつないだ。

 【評】阪神は5-6の八回一死一塁から、浜中が左中間に逆転の16号2ランを放ち、鳥谷も11号ソロで続いた。八回から救援したウィリアムスが2勝目。藤川は11セーブ目。中日は川上が踏ん張り切れず、3カード連続の負け越し。

【2006/9/1 神戸新聞】
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