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 右肩手術のリハビリで出遅れていた林威助外野手が29日のロッテ戦で1軍に復帰。6回に代打で出場して適時二塁打を放った。この林に尻を叩かれたのが、これから先「5番ライト」の座を争うことになりそうな葛城。こちらも5回満塁のチャンスに3点二塁打を放って、試合後は林とともにお立ち台に。林の復帰がさっそく波及効果を生んでいる。

 28日の試合で、平野が右足ふくらはぎ筋肉の損傷で2軍落ち。長期の戦線離脱が濃厚となったことから、当初の予定より早く林の復帰が実現した。

 久しぶりに甲子園の空気を吸い、「打席に立ったときの拍手はすごいですね。帰ってこれてよかった」と喜んだ林。岡田監督は「慣れるために1打席出すつもりだったけど、最初から結果を出してなあ…初めての打席でキチッと打つ。そのへんやなあ、(補欠陣との)違いは…」とその底力に感嘆。この日、セットアッパーとして仕事をこなしたウィリアムスも「心強い。自分も含めてチームメートは『これでやっていけるんじゃないか』という自信を持っていける」と手放しで喜んだ。

 ただ、実力者の林の復帰はそのまま、他の野手陣にとって“脅威”でもある。特に気合を入れ直したのが、右翼手としてポジションが競合する葛城。この日の5回、金本敬遠後の満塁の場面で右中間への走者一掃の3点タイムリー二塁打を放ち、「『くそー』と思いましたね。もう一度切り替えて、冷静に打とうとしました」。金本の後を打つことについては「重圧? 感じたのは最初だけです。打席に立つうちに慣れることができました」と、“5番は手慣れたワタクシに”の猛アピールだ。

 今岡が2軍落ちした今、クリーンアップとして地位固めしたい葛城にとって、ここが踏ん張りどころ。この日は復活打を放った林とともにお立ち台に上り、“痛み分け”となったが、球団関係者は「林のスイングがすごいのは、誰が見たってわかる。交流戦期間の今は指名打者があるからいいが、リーグ戦に戻れば右翼を守っていたフォード、葛城が林に立場を脅かされることになる」と指摘する。

 野手陣の勢力地図が一挙に塗り替わる可能性も出てきた阪神。激しい競争で、チームも再び上げ潮ムードになってきた。

ZAKZAK 2008/05/30
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