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【12月26日】2006年(平18) 

 3週間前とは別人の笑顔だった。阪神・関本健太郎(08年から賢太郎)内野手は2度目の契約更改交渉で前回より1000万円アップの5000万円でサイン。「来年もレギュラーとして頑張ってくれと言われ、すっきりしました」と関本はまた笑った。

 笑顔は年俸がさらに上乗せされたからだけではなかった。プロ入りして10年。球団首脳からようやく聞くことができた「レギュラー」という言葉の重み。それが何よりも嬉しかった。

 1回目の交渉が行われた12月5日、関本の目は真っ赤だった。「1年間命がけでやってきた。その中での年に1回の交渉で、あくびをされたのがすごく情けなくて…。金額というより、そちらの方が…」。

 提示額も予想より下回っていたが、真剣な交渉の場での球団幹部のあくび。緊張感を欠いた“お前はこの程度の選手”と受け取れるような態度がショックだった。

 規定打席には達しなかったが、不振の今岡誠三塁手の穴を埋め、打率3割1厘、過去最多の9本塁打を放った。代役とはいえ“レギュラー”として自分でもよくやったという自負は多少なりともあった。しかし「査定のポイントは過去最高でしたが、査定はレギュラーとしは見ていないと…」。レギュラーじゃないからあくびしてもいいのか?そう思うと、悔しくて涙があふれ出てきた。

 本当にあくびをしたのか?当の球団幹部はしていないと否定したが…。真相ははっきりしないまま結局、騒動は関本が反省の意を示したことで一件落着した。「思ったのは、自分自身の思いを伝えるのが、下手だということ。球団の人に迷惑をかけた」と関本。球団側と和解はしたが、2度と気まずい思いをするのはゴメンと、2回目の交渉の際には代理人に同席してもらった。

 「後半戦でチームが優勝争いできたのは関本がいたから。MVP級の働き」という岡田彰布監督の援護射撃もあって、前回と合わせ計2000万円アップの提示がされ、関本は快くサインした。沼沢球団本部長は「後半の追い上げの中での働きを再評価して若干(金額を)見直した」と説明。異例の大幅上積みは「あくびの謝罪?」という意地悪な質問が飛ぶと「全く関係ない」と語気を強めた。

 小学校の時、「50円のアイスが欲しくて、近所の駄菓子屋の兄さんが“ウチの野球チームに入ったらアイスやるわ”って言うから」始めた野球。奈良・天理高時代は通算20本塁打の中距離ヒッターだったが、いつの間にか守備の人という評価もされるようになった。それを決定付けたのは、07年には二塁手として連続守備機会無失策記録。中日・立浪和義二塁手が持っていた712を大幅に塗り替えるセ・リーグ新の804を記録した。

 08年には地味ながら、バイプレーヤーらしい記録がついて回った。6月17日の楽天3回戦(甲子園)で1試合4犠打、9月10日のヤクルト19回戦(甲子園)では1試合3死球と2つのセ・リーグタイ記録の保持者に。しかし、バイプレーヤーも卒業する時期に来たようだ。12年目にして初めて規定打席に達し、打率2割9分8厘で打撃成績16位に“初登場”した。規定打席は目標でなく当然。09年こそ初の3割ベスト10入りで、主役になりたいところだ。(金額は推定)

【2008/12/26 スポニチ】
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