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(サンヨーオールスター戦、全パ4-7全セ、第2戦、全セ2勝、23日、サンマリン宮崎)

これぞ球宴、これぞスターの対決やッ!阪神・藤川球児投手(26)が、またもオール直球で1回ピシャリ。因縁のオリックス・清原和博内野手(38)との男の対決は三振斬り。祭りは終わった。次はペナントを獲りにいく。







初めての体験に、体のしんから震えた。清原とのど真ん中直球一本勝負。4球すべてにあらん限りの魂を込めた。152キロの直球にバットが空を切った瞬間を、両目を見開いて見届けた。

すべての力を出し切った藤川は、達成感でしばらく動けなかった。



「こういう形で清原さんとできるとは思ってなかった。ファンの歓声、ベンチからの声援を受けて、感極まってしまいそうになった」



ベンチに下がる清原の背中に向かって、深々と頭を下げる。顔を上げたとき、その目は潤んで見えた。



水入りになった前日22日、直球勝負に加え、ど真ん中にコースを限定。清原との完全決着ムードをさらに盛り上げた。21日の第1戦(神宮)でカブレラ、小笠原を直球を予告して斬り捨てた。残る標的は清原だけだった。



球場の誰もが待っていた対決。何よりも球児が一番待っていた。八回からマウンドに上る。二死後、清原が打席に向かうと、マウンド後方でストレッチ。強打者に向かう前の、いつも通りの“儀式”だ。



1球目153キロ、2球目は151キロ。ともに空振り。剛球とフルスイングの応酬。3球目の152キロはバックネットへのファウル。最後は外角高めの152キロで決めた。



今季ただ1度の対戦は、6月17日の交流戦、大阪ドーム。中飛に抑えたが「きょうはドロー」と言い切った。この試合、オリックス投手陣が阪神打線に3死球。試合後、球児は「ちゃんと、力と力の勝負をしましょう」と呼び掛けた。それが、野球の持つ素晴らしさと信じているからだ。



「清原さんに育てられた気がします。(チ●ポコ発言のあった)去年の東京ドームから、真っ直ぐを磨くようになった。それから結果もついてきた。感謝しないといけません」



通算11度目の対決を終えた球児が、番長への思いをしみじみと話した。



昨年は日本記録となる80試合登板。「モチベーションを維持するのが難しい」と関係者にもらしていた今シーズンは、歴代7位となる47回2/3連続無失点。



「球にしっかり気持ちを乗せて投げた。球速以上のものが出せた。またいつか真剣勝負をしたいです」



宮崎の夜を熱くした球児の夏は、これから本番を迎える。



(川端亮平)



★松坂に教えた!

怪物への借りを返した藤川。試合前は同級生の松坂と約30分間、話し込んだ。ボールを手に、ストレートの握りを解説した。



「松坂との話? どっちがどうとかはないです。握りを教えていた? 見たままですよ」



去年の交流戦では中日対策の教えを請うたが、今は違う。八回の投球練習中には、松坂が審判の位置に立つほど研究される立場になった。



★ファンも「男の勝負」に感動

全国から宮崎に集結した野球ファンが、極上の瞬間を体感した。猛虎の守護神・藤川と番長・清原のガチンコ対決。スタジアムには、1球ごとに静寂と大歓声が交互に訪れた。



「これを見たかったんです。もう2度とみられない対決かもしれませんからね。まばたきもできませんよ」と興奮気味に話したのは宮崎市の黒木孝義さん。わずか4球のドラマに身を乗り出した。



豪雨の被害が大きい宮崎県・えびの市から球場に駆け付けたのはPL時代からの清原ファンという山田武さんだ。「キヨの生き様のフルスイングが見られた。雨が降っている中、生で見られてうれしい」。



今球宴のクライマックスともいえる勝負に揺れたスタンド。球史に残る勝負が、宮崎の夜を彩った。



【2006/7/24 サンスポ.COM】
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