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 身長は169センチ。野球選手としては小さな体で、チームに絶妙なスパイスを効かせている。昨オフのトレードでオリックスから阪神に加わった29歳の平野恵一選手だ。登録は外野手だが、内外野ともこなす。開幕から「2番・二塁手」の定位置を確保し、状況に応じた打撃や華麗な守備が光っている。

 新天地でのスタートは出遅れた。沖縄・宜野座キャンプの序盤で左太もも裏を痛めてリタイア。約1カ月間は別メニューの調整が続いたが、じっくりと焦らずに治した。

 どんな時でも全力プレーがモットーだ。「自分らしさを忘れず、一生懸命プレーするスタンスは変わらない」と言う。そのガッツがあだとなったこともあった。

 2年前の5月6日のロッテ戦。強風で有名な千葉マリンスタジアムで、ファウルボールを追ってフェンスに顔面から激突した。体のあちこちを痛め、歩行すらままならない。それでもリハビリの一環で右打ちに取り組むなど、前向きな姿勢で苦境を乗り切った。

 愛妻からは「死ななくて良かった」と言われたほどの大けがだった。満足にプレーできない間は「いつやめてもいいのよ」とも。だが今回、人気球団へのトレードが決まると「阪神で娘のために頑張って」と変わったと苦笑いする。家族が大きな支えだ。

 キャンプ中には「日常生活に支障はないが、プレー中に自分の思うように力が入らないことがある」と話した。それでも徹底的な体のケアを行うなどして、今はそんなそぶりはまったく見せない。一時はどん底を味わった男が、好調な阪神に欠かせない選手となっている。

 ◆平野 恵一(ひらの・けいいち)神奈川・桐蔭学園高から東海大を経て02年に自由枠でオリックス入り。内外野をこなすユーティリティープレーヤーで、05年に球宴に初出場。06年5月にはファウルボールを追ってフェンスに激突して大けがを負った。07年オフにトレードで阪神に移籍し、今季は二塁の定位置を獲得。169センチ、65キロ。右投げ左打ち。29歳。神奈川県出身。

【2008/5/13 スポニチ大阪】


平野「2番の誇り」…阪神を変えた男、本音を激白


 金本や新井のような派手さはないものの、“阪神を変えた男”として評価が高い平野。オリックスから移籍してきたばかりの今季だが、赤星との1、2番コンビは息もピッタリ。へッドスライディングに代表されるハッスルプレーが目立つが、ユニホームを脱げば超がつくほど謙虚な照れ屋サン。夕刊フジに本音をぶっちゃけてくれました。

 --新井選手は「金本さんの移籍1年目のチームに対する貢献度を抜くのが目標」と話してくれたけど、平野選手は?

 「ボクは個人記録で大きいことをいえる選手じゃないですよ。数字ではなく、2番としてつなぎの仕事をきっちりこなすこと。赤星さんが得点王を獲り、新井さんと金本さんが打点王を競い合う。そんなシーンがみられれば最高ですね」

 --平野選手もいい味を出している。バントはあまりうまくないけど

 「それについては皆さんに言いたいことがある(笑)。バントが下手下手と、記事を見るたびに怒っています。確かにうまくはないですが、違うんです。機密事項だから言えないけどいろんなサインがあって…。絶対に犠打という場合は別にして、ただ平凡にバントを決めてもおもしろくないでしょ。同じバントするにしても自分もセーフになったろ、と。目立ちたいじゃないですか」

 --ヘッドスライディングやダイビングキャッチもその一環かな。評論家からは「ケガをするからやめろ」という声も多いが

 「あれは逆にアピールプレーじゃないんです。気合というか、ごく自然に出てくる。オリックス時代も同じスタイルでした。いや、小学校のときからですよ。ケガを恐れていてはいいプレーはお見せできないし、ヘッドスライディングだってケガをするぐらいならハナからやりません」

 --キッカケは

 「父が(少年野球の)監督をやっていて、いつもノックで取れない打球ばかり打っては『飛びついてでも取れ』と。ボクの野球スタイルの原点みたいなもの。でも最近はファンから『平野、お前のヘッドスライディングを見に来たんや』と声がかかるようになった。ホント、嬉しいですよ」

 --開幕から40日。今の自分をどう評価する

 「まだまだだと思いますが、夕刊フジさんはじめマスコミの皆さんがボクみたいな華がなくてマニアックな選手を大きく取り上げてくれて、本当に嬉しいです(真顔でキッパリ)。でも赤星さんや、自分をホームに還してくれる新井さん、金本さんのおかげです」

【2008/5/13 ZAKZAK】
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