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 夏の全国高校野球選手権で優勝投手となり、卒業後の進路が注目されていた早稲田実3年の斎藤佑樹投手(18)が11日、東京都国分寺市内の同校で記者会見を開き、大学進学の意思を表明した。進学先については明言を避けたが、高校と系列関係にある早稲田大に進むのが確実な状況だ。

 約150人の報道陣が詰めかけた会見で、斎藤投手は「家族、学校関係者と相談した結果、プロ志望届は出しません。大学進学を志望します」と語った。前日に家族で話し合い、最終的に決めたという。夏の甲子園優勝や、その後に日本代表として米国遠征を経験、プロ野球や米大リーグへの挑戦にも、気持ちが揺れ動いたことも明かした。しかし、高校入学当初から大学進学を希望していた気持ちを優先し「まだまだ野球選手としても、人間としても未熟。大学生活で成長していきたい」と話した。

 15日が提出期限のプロ野球志望届を提出しない理由としては「プロに行って通用するほど甘くないと思っている」と説明。「体を大きくして、投手としてのレベルを1ランク、2ランクアップして、プロ野球挑戦を目指していきたい」と決意を語った。

 学校側によると、斎藤投手が推薦制度で早大に進む場合、通常の学力試験のほか、校内の面接を受ける。推薦が決まれば、11月に希望の学部を決定し、年明けに大学から合否が通達される。【山本亮子】

 一方、同じく進路が注目されている駒大苫小牧の田中将大投手(17)は現在、プロ入りか進学かの態度を表明していない。学校側によると、高野連へのプロ志望届締め切り(15日)を見据え、遅くとも13日までに進路を決めて会見する予定という。

 ▽早稲田実高OBの王貞治・ソフトバンク監督 プロにチャレンジしてほしい気持ちもあったけど、正しい選択だったんじゃないか。体を鍛えて、次は大学野球という高いレベルの中で活躍してほしいと思います。期待しています。

 ▽早大・応武篤良監督 本人とご両親が素晴らしい選択をしたことに敬意を表したい。4年間の文武両道を選んだということ。(早大入学が実現すれば)彼とともに、早稲田を選んで良かったと感じられる教育をしたい。

 ▽巨人・清武球団代表 進路を決め、本人もほっとしているんじゃないか。(4年後まで見守る?)そうでしょう。4年後が楽しみ。大学野球を盛り上げ、プロに迎え入れるのが理想。こういう形がよかったのかもしれないね。

 ▽巨人・原監督 本人の意思を尊重します。将来性豊かな投手なので、いい方向にいくことを願っている。

 ▽早実OBの荒木大輔・西武投手コーチ 本人が決めたことなので、間違いはないと思う。大学に進学し、野球や勉強をしっかり頑張ってもらいたい。そして、ひと回り大きくなった斎藤君を見てみたい。

 ○…「おれの勘は進学だよ」と、斎藤の早大進学を“予言”していた楽天・野村監督。だが、いざ当たると「スポーツ紙の1面を飾れる選手。残念だな」とこぼした。以前から、「斎藤と(駒大苫小牧の)田中には良い環境、良い上司を選べとアドバイスしたい」と話すなど、斎藤には興味深々だった。4年後のドラフトが早くも注目されるが、「おれ生きてるかな?」と、冗談めかして締めた。

【2006/9/11 毎日新聞】
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