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 アマチュアのトップ選手が、NPBを経由しないでMLB入りを目指すという、NPBが最も恐れていた事態が現実になった。「日本の優秀な人材は、日本のプロに入ってほしいという考えは変わらない」。長谷川コミッショナー事務局長は、苦渋の表情を浮かべた。

 NPB所属選手がMLBへ移籍するには、フリーエージェント(FA)や、ポスティングシステム(入札制度)など、明文化された手続きが存在する。しかし、アマ選手に関しては、互いのドラフト制度を尊重するとの暗黙の了解はあっても、明確な規定はない。選手がMLB入りを希望すれば、「職業選択の自由」の観点から、NPBに止める手だてはない。

 超一流選手のレベル、球場施設、年俸、年金制度。MLBがNPBを上回る面は多い。田沢がMLB入りして成功を収めれば、有望アマ選手の海外流出も加速するだろう。人材を確保するには、日本球界の劇的な変化が求められる。

 当面の課題は、平等な競争を担保するルールづくりだ。ドラフトにまつわる不明朗な金銭授受が行われてきた経緯から、NPB球団とドラフト対象選手の接触には、厳格な取り決めがある。高校生、大学生選手には「プロ志望届」を提出するまで接触できない、などが一例だ。

 MLB球団はこの枠組みの外にいる。「日本は手を縛られ、大リーグは自由。不平等だ」と巨人の清武球団代表。対応策を協議する委員会は19日に発足する。選手を日本に縛りつけるルールづくりは好ましくないが、まずはアマ球界と連携し、日米のスタートラインを同じにする必要がある。     (佐藤正弘)


【2008/9/11 MSN産経ニュース】
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