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監督選考方法「なんじゃそれ」


 侍ジャパンは勝てない-。来月5日に開幕が迫ったワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に連覇をかけて臨む原辰徳監督(50)以下、日本代表チームは宮崎で合宿中。日本中の期待と視線を集めている。そんな原ジャパンにモノ申す。一時は代表監督候補にも挙がった楽天・野村克也監督(73)を沖縄・久米島キャンプで直撃。球界最年長の指揮官は、日本代表の現状を見て「原じゃ、勝てん」と断言した。(聞き手=夕刊フジ記者・塚沢健太郎)

 --宮崎合宿には連日4万人の観客が押し寄せるなど、WBCへ向けて盛り上がっていますが…

 「いいよ、WBCのことは…。バカにしやがって。最初から決まってんじゃないか」

 --決まっていた、というのは、代表監督の選出問題のことですよね

 「(自分が)監督をやりたいとか、そんなことは、みじんもない。ただ、ああいう監督の決め方はな」

 今回のWBC監督は、一度は北京五輪監督の星野仙一氏の続投が既定路線だった。しかし、その後の“バッシング”で星野氏が就任を固辞したことで混迷。急浮上したのが、野村監督だった。世論をバックに最有力となったかに思われた昨年10月、野村監督自身もメンバーとして出席した「WBC体制検討会議」で、原監督就任が決まった。

 「出来レースだなと思ったのが、(自分が)『落合(中日監督)の名前がないけどダメか』と言ったら、『いやいやいや』って。王(貞治氏)が間髪入れずにダメだと。『味方の選手が本塁打を打って、みんながワーっと迎えに行くのに、シラーっとベンチに座っているような監督はダメだと。選手と一緒になって盛り上がるような監督じゃないと』と。なんじゃそれ」

 --次の戦術を考えなくてはいけない監督は、喜んでいるヒマなどないということですね

 「立場が違う。監督と選手では。同列でやっていたら、話にならん。ブルペンは誰を用意しているとか、そっちの方に神経が行くわな。投手は続投かとか。今度は逃げる方に頭が行く。王でも長嶋でも天才だな。(選手と)一緒に喜んで」

 --最初は既定路線だった星野監督にしようとする会議だった

 「1回目の会議は星野。2回目のときに星野から正式に辞退の届けがあった。星野がダメで、王も(体調不良を理由に)断った。『誰がやるんだと、俺しかいないじゃないか』と思ったんだけど、その気配なし」

 --世論は野村監督を推していた

 「世論の『よ』の字もない。高田(ヤクルト監督)とか野村謙二郎(元広島)とか、誰かが『世論の人気は野村さんだからどうですか』って言ってもいいはずなのに。挙げ句の果てには『日本プロ野球界は世代交代です』と(加藤)コミッショナーが3回も言って。(自分は)世渡り下手なのが、ああいうところに出るな。ゴマがすれない。お世辞が言えない。(監督決定は)能力主義じゃないから」

 --加藤コミッショナーが先日、久米島キャンプに来訪したが「その節はどうも」といった話は

 「ひとっ言もない」

 --じゃあ今回のWBCで負けたら、4年後は野村監督で…。77歳ですけど

 「ない、ない、ない。100%ない。部外者に支持されていても、野球界のジジイ連中には支持されていないからな」

 --ところで、野村監督は代表チームの正捕手は細川(西武)がいいと言っていますね

 「去年1年で飛躍的によくなった。打者をよく見ている。観察力が一番伸びたんじゃないの。城島(マリナーズ)や阿部(巨人)では…。打撃の捕手だから。守りの捕手を使うか、打撃の捕手を使うか。原(監督)が捕手の重要性を知っているかどうかだけど」

 --去年の巨人が日本シリーズに出られたのも、捕手が阿部ではなかったことが大きい

 「鶴岡の方がうまいよ。こういうリードを阿部ならしないというのが、随所にあった。やっぱり、(阿部は)お坊っちゃまだよ。配球が。裏をかくとか、虚を突くというのがない」

【マー君の先生「ダル、山田コーチ」「松坂はダメ」】

 --野村監督が見ていてリードが読める?

 「わかるよ。専門家だもん。淡泊というか、奥行きがないというか。すごいよな。あれで巨人は勝っちゃうんだから」

 --メジャーリーガーの城島は?

 「リードがオーソドックスすぎる。あれは(血液型)A型やろ。配球が単純や」

 --希望は楽天の星、田中将大ですね

 「国際試合、大試合は経験した方がいい。ああいうところへ行くと、ハクがつくし、一流を味わって、経験した方がいいですよ。一流選手が集まると、何気ない話の中に、ヒントになることがあったりね」

 --田中に学んでほしいことは?

 「積極的に話しかけることだな。しっかりした選手を選んで。ダルビッシュ(日本ハム)とか。山田(投手コーチ)もいいんじゃないか? あと誰かいる?」

 --松坂とか?

 「ダメだ、あれは」

 --では、原ジャパンはズバリ勝てますか?

 「勝てないやろ。原じゃ、勝てんわ」

【日本球界屈指の知将】

 改めて日本代表監督の選考方法に疑問を投げかけた野村監督。たった一つの配球ミスが命取りになる大舞台で、リード面に難がある城島と阿部を主軸捕手に考えている以上、原ジャパンの勝利はないと言い切った。日本球界屈指の知将の意見に、原監督は耳を貸すのか-。

 ■野村克也(のむら・かつや)1935(昭和10)年6月29日、京都府生まれ、73歳。峰山高から54年にテスト生で南海(現ソフトバンク)に入団。65年に戦後初の三冠王に輝く。70年から兼任監督。77年に解任後、ロッテ、西武でプレーし、80年に現役引退。90年からヤクルト監督で日本一3回、リーグ優勝4回。99年に阪神、2006年に楽天監督に就任。監督23年間で通算1488勝1497敗75分。


【2009/2/19 ZAKZAK】
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