マリナーズのイチロー選手が日米通算3000安打を達成した試合で、城島健司捕手はベンチスタートだった。九回に代打で登場し、バントを失敗した後、左ひざの下に死球を受け、代走にワシュバーン投手を送られた。試合後、黒く変色したあざをさすりながら語ったイチロー選手解説が、実にわかりやすくて面白かったので、紹介したい。
◇
すばらしい記録だけど、ぼくはおめでとう、とは言わない。イチローさんには当たり前のことだから。でもね、当たり前と思われて達成するのは、それはそれは大変なことなんですよ。
ぼくも選手だから多少はわかるけど、記録のレベルが高いと壁も高くなる。500より1000、1000より2000の方がプレッシャーは重くなる。なのにイチローさんは3000本が当たり前と見られている。そのこと自体がすごい。
マリナーズに入る前は、イチローさんはプレッシャーなんて全く感じない人かも、と想像してたけど、近くで見て違うとわかりました。すごい重圧の中でも、さも当たり前のようにこなしているところが、イチさんの格好よさ、かな。
あと、もう一つ、近くで見て、改めてさすがだと思ったのは、イチローさんが試合に出続けていること。あまり故障者リスト入りしたことがないでしょ。盗塁などコンタクトプレーは結構多いのに、ケガをしない。
秘密を知りたくて、聞いたり、観察した。朝食には何を食べるのか、自宅でどんな準備をし、試合前にはどんな行動をとるのか、などいろいろ。ヒットを打つ技術以前に、綿密に体のケアをしていることが、大記録を達成した要因だと思います。
ぼくもマネしたいんですが、なかなかね。きょうの死球なんて、イチローさんだったら、ひらりとよけていたでしょう。野球に付き物のアクシデントから身を守るすべを知っている。イチローさんが塁に出なかったら、このチーム、野球にならないですからね。ぼくなんかは、代走が投手でもいい。実際、ワシュバーンの方がぼくより速いし……。
◇
ちなみに城島選手は、イチロー選手が3000安打を達成したら、ビールをおごってもらう約束をした。お祝いなら逆だと思うが「ぼくがおごる、なんておこがましい」のだそうだ。(冨重圭以子 専門編集委員)
【2008/8/1 毎日新聞】
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すばらしい記録だけど、ぼくはおめでとう、とは言わない。イチローさんには当たり前のことだから。でもね、当たり前と思われて達成するのは、それはそれは大変なことなんですよ。
ぼくも選手だから多少はわかるけど、記録のレベルが高いと壁も高くなる。500より1000、1000より2000の方がプレッシャーは重くなる。なのにイチローさんは3000本が当たり前と見られている。そのこと自体がすごい。
マリナーズに入る前は、イチローさんはプレッシャーなんて全く感じない人かも、と想像してたけど、近くで見て違うとわかりました。すごい重圧の中でも、さも当たり前のようにこなしているところが、イチさんの格好よさ、かな。
あと、もう一つ、近くで見て、改めてさすがだと思ったのは、イチローさんが試合に出続けていること。あまり故障者リスト入りしたことがないでしょ。盗塁などコンタクトプレーは結構多いのに、ケガをしない。
秘密を知りたくて、聞いたり、観察した。朝食には何を食べるのか、自宅でどんな準備をし、試合前にはどんな行動をとるのか、などいろいろ。ヒットを打つ技術以前に、綿密に体のケアをしていることが、大記録を達成した要因だと思います。
ぼくもマネしたいんですが、なかなかね。きょうの死球なんて、イチローさんだったら、ひらりとよけていたでしょう。野球に付き物のアクシデントから身を守るすべを知っている。イチローさんが塁に出なかったら、このチーム、野球にならないですからね。ぼくなんかは、代走が投手でもいい。実際、ワシュバーンの方がぼくより速いし……。
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ちなみに城島選手は、イチロー選手が3000安打を達成したら、ビールをおごってもらう約束をした。お祝いなら逆だと思うが「ぼくがおごる、なんておこがましい」のだそうだ。(冨重圭以子 専門編集委員)
【2008/8/1 毎日新聞】
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