ロッテ3―2巨人(11日・千葉マリン)

小関のあ然、ぼう然、史上初の凡プレーで、李の“19号2ラン”が幻に。巨人は今季、ロッテに交流戦全敗、2年越しの7連敗となった。同点の3回、2死一塁で李の一打は右中間席へ。ところが、一塁走者・小関が「三塁を踏まずに生還した」とのロッテ側のアピールが認められ、小関はアウト。無得点となった。その後、5回に木村拓の適時打で勝ち越したが、エース・上原が計3被弾とリードを守れなかった。これで今季ワーストの6連敗。泥沼が続く。

天国から地獄へ―巨人ベンチが、一気に突き落とされた。同点の3回2死一塁。李が勝ち越しとなる19号2ランを右中間席にたたき込んだ、はずだった。原監督もベンチ前で、殊勲者を笑顔で迎え入れた。その直後、まさかの出来事は起こった。

ロッテの三塁手・今江が先発・渡辺俊に「バカヤロー」と大声を出した。次打者・斉藤へ投球する前、声に気づいたサブマリンは今江にボールを送り、そのまま三塁を踏む。すると、三塁・西本塁審の右手が挙がった。なぜ…この瞬間、巨人の攻撃は終了。無得点。ロッテナインは一斉にベンチに下がっていった。

原監督も中村球審、西本塁審に詰め寄ったが、判定は覆らなかった。「(一塁)走者の小関選手が、三塁を空過しましたので、無得点で試合を再開します」西本塁審のアナウンスが場内に流れる。李の勝ち越し弾は幻となり、記録はシングルヒットに訂正された。

小関「踏んでないなら、逆に違和感があると思う。踏んだかどうか、こっちが聞きたいくらいですよ」

今江「ホームランの時はいつも見るようにしている。三塁ベースの内側を通っていった。いつも見ているから、距離感的におかしいな、と。審判に聞いて、知らんぷりされましたけど、アピールはタダでできますから。でも、渡辺さんが次の打者に投げようとしていたので、バカヤローと叫びました」

西本塁審「踏んでいないのは確認しました。ベースのどの辺りを回っていたかは言えない。確認するのは、審判のマニュアルですから」

西岡外野守備走塁コーチ(三塁コーチ)「李の打球が入るかどうかを見て、李の進塁を考えなくちゃいけない。選手がベースを踏むのは当たり前。申し訳ないが、そこまでは見ていない」

本塁打時に、前の走者がベースを踏み忘れるという史上初の珍事。巨人は、なすすべがなかった。

4回の攻撃前には指揮官自らが円陣の中心に立ち「小関のミスはチームのミス」とゲキを飛ばした。その後、5回に3連打で勝ち越したが、上原が計3被本塁打とリードを守れない。失った流れは戻ってこなかった。

7試合ぶりの2ケタ安打となる11安打をマークしながら、主軸を故障で欠く打線は2点しか取れない。今季のロッテ戦はこれで6戦全敗。2年越しの7連敗だ。今季初の6連敗となり、交流戦の順位は楽天と並び、下にはオリックスしかいなくなった。「チーム状況の前に、それを救う人間、はね返す選手が出てこないと」原監督はあくまでナインを鼓舞した。立ち止まってはいられない。今の巨人は、勝利を信じて進んでいくしかない。

【2006/6/12 スポーツ報知】
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